心筋梗塞の診断

●心臓の構造から診断する

○心筋梗塞の原因

動脈は年齢とともに老化が進み、動脈硬化を起こしてきます。動脈硬化は、動脈の内膜が何らかの原因で傷害を受け、そこからコレステロ-ルなどの血液成分が侵入してくることから始まります。その状態が更に進行すると、プラ-クと呼ばれる脂肪に富んだ粥状物が被膜で被われ、動脈の内腔に向かって突出するような形になって、動脈は局所的に狭くなってしまいます。急性心筋梗塞はこの軟らかいプラ-クが突然破綻して急速に血液の固まり(血栓)が形成され、冠状動脈を閉塞することによって起こると考えられています。
 
○急性心筋梗塞の症状

急性心筋梗塞の症状は極めて特徴的です。通常激しい胸の痛みが起こり、痛みはしばしば左肩や左背部に拡がります。ほとんどの場合、呼吸困難や冷汗、嘔吐を伴います。高齢者や糖尿病の方では胸痛を自覚しないことがあり、呼吸困難を訴えて受診される場合があります。心筋梗塞を発症すると梗塞を起こした心筋は収縮しなくなり、その分心臓のポンプとしての働きは低下して全身の血液循環が悪くなります。従って、発症時は心臓に負担をかけないために、絶対安静をとることが大切です。また発症時いろいろな合併症が起こることがあり、中には致命的となるものもあります。

①不整脈

脈の乱れを総称して不整脈といいます。脈が飛んだり欠けたりすることですが、中には急に脈が速くなったり、逆に脈が非常に遅くなったりすることもあります。心臓が収縮しなくなる不整脈が、突然起こることもあります。それによって、ときに突然死してしまいます。

②心不全

心臓のポンプとしての働きが著しく低下して、全身で血液がうっ滞し、呼吸困難や尿量の減少が起こります。ひどい場合は、血圧が著明に低下してショック状態を呈することがあります(心原性ショック)。

③心破裂・心室中隔穿孔・乳頭筋断裂

その他にも壊死部の心筋が裂けてしまう心破裂や心室中隔穿孔、左心室の乳頭筋が断裂して僧帽弁閉鎖不全が起こることもあります。急性心筋梗塞は何の前触れもなく突然発症する場合や、数分-15分以内の胸痛が1週間から1~2ヶ月に何回か起こった後で発症する場合、狭心症が悪化して胸痛発作の回数が多くなり、ついに心筋梗塞を発症する場合などさまざまです。突然に発症する場合以外は、できるだけ早く検査や治療を受けることが心筋梗塞の発症を防ぐ方法となります。

●診断方法

激しい胸痛が15分以上続き、冷汗や嘔吐を伴っている場合は、急性心筋梗塞が強く疑われるので、検査を行って診断します。

○心電図

心電図は診断に欠かすことのできない大切な検査です。急性心筋梗塞では極めて特徴的な心電図変化が現れます。小さな梗塞や内膜付近に限局した梗塞の場合は心電図で特徴的な変化がみられず、他の検査結果と総合して診断しなければならないこともあります。

○血液検査

心筋細胞が破壊されて、細胞内の酵素や蛋白質が多量に血液中に漏れてきます。血液検査でこれらの値を測定し、高値を示せば診断は確定されます。



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