心筋梗塞の検査方法

●狭心症・心筋梗塞の検査

○心電図

心電図(しんでんず)。心臓は休むことなく収緒と弛緩を繰り返して働いており、その一回毎に微小な電圧の変化を生じます。この僅かな電気現象を体表面でとらえて記録するのが心電図です。検査としては簡単で、全く苦痛がなく、そして短時間で終了します。この検査は狭心症や心筋梗塞の診断に欠かせません。しかし、狭心症では症状のないときには心電図に異常が出ませんので、安静時の心電図が正常だからといって安心とはいえません。反対に、冠動脈性心疾患でなくてもそれに類似の所見がみられることがあり、簡単に心電図のみで診断が下せるものではありません。そのために安静の状態では出ない異常を、運動を加えることによって診断する方法を「運動負荷試験」(うんどうふかしけん)と呼びます。この目的のため、年令、体重によって決められた回数の階段を昇降した前後で心電図を記録するマスターの二階段法が一般には用いられてきましたが、現在では自転車エルゴメーターやトレッドミルによる運動負荷のほうが情報量が多いので、これらを用いた検査を行うところがあります。この運動負荷試験によって血圧や心拍数の反応、症状の有無、心電図の所見から総合的な診断が下され、また体力の評価に基づいて日常の運動レベルの範囲も処方されます。もちろん、治療の効果もこの方法によって確かめられます。労作に関係のない安静時に起こってくる狭心症の診断や治療効果をみるために24時間の心電図を連続して記録する方法があり、これはホルター心電図法と呼ばれています。この方法では小型のテープレコーダで24時間の心電図を記録し、日常生活の中でいろいろな行動に際してみられる心電図の変化を正確にとらえることができますし、不整脈の数や原因の診断にも有力な検査です。

●一般的な検査

血液や、尿の検査によって、貧血の有無、血清コレステロールや尿酸の状態、塘尿病、腎機能などについて調べます。また胸部X線検査で、心臓の大きさを正確に調べます。

●特殊な検査

狭心症や心筋梗塞に対して、その診断や重症度、あるいは心機能を検査する目的で、超音波検査(心エコー検査)やアイソトープによる検査が行われます。これは苦痛もなく繰り返して行われるので便利です。これに対して、冠動脈や左心室をレントゲンで写しだす心血管造影法(しんけっかんぞうえいほう)は、腕や大腿部の動脈から細い管を入れて冠動脈の入口などから造影剤を流し込み映画撮影します。この方法によって冠動脈の障害の部位、程度、左心室の収縮や弛緩の状態、壁の動きなどが正確にわかり、これらの所見を総合して治療法が決定されます。これは、最も有用な検査ですし、狭心症、心筋梗塞の確定診断やその後の治療法の選択に欠くことの出来ない検査ですが、簡単に繰り返して行えるものではないので、慎重に適応が検討された上で施行されます。心血管造影やアイソトープを使った検査は、特別な検査器具が必要ですので、どこの病院でも行えるわけではなく大きな病院にいかなければならないという不便さもあります。



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