カテーテル治療

●積極的な治療方法

急性心筋梗塞の治療は、合併症に対する治療と心筋梗塞の範囲を小さくする治療とがあります。合併症とは、不整脈や心不全のことです。以前は不整脈による死亡が多かったのですが、近年CCUの導入により著しく減少しました。一方、心不全の治療成績はまだ重症不整脈ほどは上がっていません。しかし、最近では薬剤だけでは治療困難な心不全に対してカテーテル治療法や大動脈内バルーンパンピング、経皮的心肺補助装置などの心臓の機能を補う治療が行われています。

●カテーテル治療

カテーテル治療は、先端に風船のついたカテーテルを冠動脈の狭窄部に挿入し、風船を膨らませることで狭窄部を拡張し、冠血流の増加を図るもので、経皮的冠動脈形成術と呼ばれています。近年では、網目状の金属を使用して血管内に突出した病変を血管外方に圧排するステントもよく使用されます。より重症の患者に対してはバイパス術が選択されます。冠動脈造影検査と同じ方法で、細く柔軟な針金(ガイドワイヤー)を狭窄した冠動脈まで通します。そしてガイドワイヤーにそって風船のついたカテーテル(バルーンカテーテル)を狭窄部に導き、バルーンを膨らませて狭窄部を押し広げます。カテーテル治療は、手術のようにメスで胸を開けることなく冠動脈の血流を保つことができるので、患者さんの負担が少なく非常に有効な治療法です。しかし、この治療法にも欠点があり、拡張に成功しても2~3割の患者さんで血管が再び狭窄します。これを防ぐため、拡張した血管の内部に金属の網(ステント)を挿入する方法が現在では一般的です。

●カテーテル治療の流れ

心臓カテーテル検査とほぼ同様の段取りで行われます。主に足の付け根の血管から細い管を冠動脈まで入れて、狭い部分を広げたり削ったりする治療法で、循環器内科医の専門分野です。カテーテル・インターベンションと呼ばれて、現在は「PCI」という英語の略(Percutaneous Coronary Intervention)が一般化しています。1979年にスイスの医師が報告したのが最初で、この時は先端に風船(Balloon)のついたカテーテルを冠動脈の狭くなっている部分に通し、風船で膨らませました。その後、カテーテルを経由し、さまざまな方法で冠動脈の治療をする技術や器具が開発され、現在は、狭くなっている部分を広げた後に「ステント」という網目構造をした血管の鋳型を入れる方法が主流になっています。他にも、先端にドリル状の構造を持つカテーテルで、狭窄部分を削ってしまう方法もあります。しかしこれらカテーテル治療にも問題点がいくつかあります。ひとつは「再狭窄」といって、風船にしろステントにしろ、一度広がった部分が、数ヶ月後に再び狭くなってしまう現象があります。また、バルーンやステントのサイズにも限界があるため、あまり細い血管には適用できないのです。

※最近はDrug-eluting stent(ドラッグ・イルーティング・ステント、DES)といって「再狭窄」を防ぐ目的である種の薬剤がじわじわとしみ出す仕組みを持つ新たなステントが広く使われはじめています。



5.心筋梗塞の予防法
心筋梗塞の予防法【まとめ】
病院がすすめる心筋梗塞の予防法
心筋梗塞を防ぐための食養生
4.心筋梗塞の治療
バイパス手術②
バイパス手術①
カテーテル治療
薬物療法
心筋梗塞の治療方法
3.心筋梗塞の原因・検査・診断
心筋梗塞の診断
さまざまな心筋梗塞の検査の仕方
心筋梗塞の検査方法
心筋梗塞の原因
2.心臓の働きから見る心筋梗塞
心臓の機能と心筋梗塞の症状
冠動脈疾患と心臓の関係
心臓が動く理由
1.心筋梗塞の基本知識
狭心症と心筋梗塞の違い②
狭心症と心筋梗塞の違い①
心筋梗塞の発作への対処
あぶない心筋梗塞の前兆
心筋梗塞という病気
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